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世界の情報セキュリティ事情

 

フィッシング詐欺を超える恐怖

「ファーミング詐欺」

 

 

 フィッシング詐欺を超える新手のインターネット詐欺「ファーミング(pharming)詐欺」が、今アメリカで脅威となっている。

 詐欺の内容はフィッシング詐欺と同様、ネットバンクなどのホームページを装った見た目がまったく同じ偽サイトを作り、個人情報を盗むというもの。フィッシング詐欺が、HTMLメールに偽サイトのURLを埋め込んでおいて、クリックすると偽サイトへアクセスさせられていたのに比べ、ファーミング詐欺は正しいURLを入力しているのに偽サイトへ誘導されてしまう点だ。ブラウザのアドレスバーに表示されているURLに不振な部分がない為、気づくことが難しい。そこで入力された個人情報は、全て闇のルートに流出してしまうことになる。

 

ファーミング詐欺の仕組みは以下の2つの種類が解明されている。

 

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「DNSポイズニング」

(図1を参照)

DNSポイズニングは、このDNS(ドメイン・ネーム・システム)サーバーを攻撃して、URLの情報を書き換えてしまい、URLから導かれるグローバルIPアドレス(サーバーの住所のようなもの)自体を偽サイトのものとしてしまうのだ。
2 ウイルスなどを使い、パソコンOSのhostsファイルを書き換える スパイウエアやウイルスを使って、パソコンOSの中にあるhostsファイル(パソコン内部でDNSサーバーのような役割をするファイル)を書き換えてしまう手口だ。hostsファイルが書き換えられると、DNSサーバーを経由することなくhostsファイルに書き込まれたグローバルIPアドレスが参照されてしまうため、偽サイトへと誘導されてしまう。

 

図1

 

現状できる対抗手段としては

 

1 個人認証が必要な場合、アドレスバーのURLが「http」ではなく「https」で始まっているか確認する。
2 スパイウエア検出・駆除ソフトを使い、常にスパイウエアがインストールされていないかチェックする。
3 Microsoft Outlookなどのメールソフトではスクリプトが埋め込まれたメールを開くだけで感染する場合があるので、可能ならば別のメールソフトを利用する。
4 ブラウザにURLを入力したときにhostsファイルを無視して、必ずDNSを参照するようなセキュリティツールを利用する。

 

ファーミングについての語源

pharming(ファーミング):「farming(農業)」から生まれた造語。フィッシ ングが被害者を一人一人釣りあげていくイメージなのに対して、ファーミングは 大量の被害者を一気に収穫するイメージなことから付けられた。